それから、出演者や脚本家などの打ち合わせでは、自分をアピールするための発言をやめました。よくあるでしょう。いい意見が出たあとに、「僕もそう思ってました。確かにそれは……」っていう人。自分を振り返ってください。無意識にしてしまう行為です。なぜなら本当にそう考えていたから。だけどこれはうっとうしいだけです。だからそうした言葉が出そうになったら、ぐっと堪えるようにしました。
日常の会話でも、「この前ハワイに行ってさぁ~」って発言に、「あ! オレも3年前に行って」ってなどとは、絶対に言わないようにしています。これは、無意識に「会話泥棒」をしてしまっているわけです。
悩み相談もそうです。これまでは相談を受けると、すぐに「それはさぁー」と言っていたのをぐっとこらえ、とにかく吐き出させるための質問をするようになりました。「あまちゃん」が終わって帰省したとき、妹からは、「兄ちゃんしゃべりやすくなった。すぐに正解を言わなくなったから」と言われました。
正解を言わなくなったら、愛されるようになる――ここにコミュニケーションの真髄があります。
思い返せば、過去、僕は初めてのデートで、5時間その人の人生をずっと聞き続けた結果、「吉田さんっておもしろい!」って言われたことがあります。僕がしゃべったことは、「いつから?」「どうして?」「へーすごいね」ぐらいです。なのにおもしろいと思われるのです。
最初はしんどいです。でも「おもしろい人」になるためには、「聞く」「黙る」は必要です(ただ、その人とは、それっきりでしたが。いくらおもしろいと思われても、やっぱり僕だって話を聞いてほしいですからね)。

1月23日東洋経済オンラインから引用

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